建築現場

気候で建築方法を考える

ハウスメーカーに依頼する場合は建てる場所の気候によって、建築方法を変えることも必要です。風の強い地域の場合は木造や鉄骨造以外に鉄筋コンクリート造の建築方法も選択肢となります。日本列島は南北に長い形状をしているので、北と南で建築方法を変えることは当然です。列島中心の温暖な気候のところでは夏を基準とした建築とし、風通しを良くすることが必要です。冷房だけに頼った建築は光熱費の負担が多くなりがちです。

近年、住宅でも省エネ性能が必要とされるようになりました。住宅の省エネでは屋根と外壁の断熱性能を高めることが必須で、十分な断熱材を設置することが大切です。併せて、気密性に優れた建築とすることで、室内で温められた湿気を壁内に入らないようにする工夫が必要です。シックハウス症候群の防止のための24時間換気も大切となります。浴室の換気扇を終日稼働させておくことにより、住宅内に有害物質を滞留させないことが可能となります。

住宅は耐震性の観点から地盤を選ぶ必要があります。十分な地耐力を持ったところに建てるのがベストですが、地盤改良によって弱い地盤にも建てることが可能となりました。その場合の屋根は本瓦のような思い材料を用いずに、鋼材やシングル系の軽い材料を選ぶことが必要です。洪水被害が発生するかどうかは自治体が作成するハザードマップで知ることができます。軽微な洪水には止水版の設置が有効ですが、浸水深度が深い場合は上階への非難を容易にする対策が必要となります。

建築は自然条件の制約を受けると共に、敷地形状の制約も受けます。敷地を選ぶ場合はそこにどんな住宅が建てられるのかということも考慮して決めることが大切です。利用効率が高いのは矩形の敷地で、変則な多角形や三角形の敷地は使い難くなります。敷地は向いている方角や前面道路の幅によって利用状況が異なります。特に接する道路がどちら側にあるかで、住宅の間取りも違ってきます。

住宅を建てるには様々な条件を考慮する必要があり、一度の経験で正解を得るのは難しい面があります。住宅を建てる場合は他の人が建てた経験談などを知り、失敗しない対策を立てることが必要となります。ハウスメーカーを選ぶ場合は実際のその会社で建てた人の経験を知ることで、間違いを少なくすることが可能となります。住宅は長い期間住み続ける性質のものなので、長期的な利用計画も必要です。家族の成員の変化や高齢となった時の対策を初めからしておくことも大切となります。

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